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イマーシブシアターとは? 歴史・楽しみ方・初心者向けおすすめ公演

イマーシブシアターとは? 歴史・楽しみ方・初心者向けおすすめ公演

ガイド

公開: 2026年8月30日 / 更新: 2026年9月10日

イマーシブシアターは、観客が登場人物と同じ空間で物語を体験する演劇です。キャストについて歩いたり、話しかけられて返事をしたりと、客席から眺める観劇とは違う関わり方があります。

演技や会話がどのくらい必要かは、公演によって異なります。見守ることを中心に楽しむ作品も、自分の役を受け取って参加する作品もあります。

普通の観劇との違い

舞台と客席が分かれた演劇では、観客は客席から物語を見守ります。イマーシブシアターでは、観客がいる場所も物語の舞台です。登場人物がすぐそばで行動し、ときには観客にも話しかけます。

たとえば、気になる登場人物について別の部屋へ移動し、その人物の行動を追う作品があります。招待客として食事の席につき、目の前で起きた事件に巻き込まれる作品もあります。歩く、話す、食事をするといった自分の行動が、物語とつながっているのです。

誰についていくか、どんな会話をするかによって、目にする場面や知る情報が変わる作品もあります。同じ回に参加しても、友人とは別の場面を見ているかもしれません。自分が見聞きしたことをもとに物語を受け取る楽しさがあります。

ただし、観客に求められる行動は作品ごとに違います。自由に会場を歩くものもあれば、席で芝居を見守るものもあります。全員が演技や会話を求められるわけではありません。

参加方法の例:『魔法使いの約束』(外部サイトが開きます)/『豪華列車はミステリーを乗せて』(外部サイトが開きます)

イマーシブシアターの歴史

観客が舞台となる建物を歩き、見る場面を選ぶ演劇は、近年突然生まれたものではありません。その流れを知る代表例が『Tamara』と『Sleep No More』です。

『Tamara』と『Sleep No More』

1981年にトロントで初演された『Tamara』(外部サイトが開きます)は、観客が建物内で追いかける登場人物を選ぶ作品でした。同じ公演でも、追う相手によって見る場面が変わります。

2000年に設立された英国の劇団Punchdrunk(外部サイトが開きます)は、2003年にロンドンで『Sleep No More』(外部サイトが開きます)を初演しました。『マクベス』をもとにした物語を、観客が建物内を自由に歩きながら追う作品です。

2009年のボストン版に続き、ニューヨーク版(外部サイトが開きます)は2011〜2025年に上演されました。上海版は2016年に始まり、現在も続いています。観客が見る場面を自分で選ぶという、イマーシブシアターを代表する鑑賞方法を示す作品です。

日本での展開

日本では、DAZZLEが2017年に『Touch the Dark』を上演しました。DAZZLEの公式発信(外部サイトが開きます)では、同作を日本で初めての本格的なイマーシブシアターと位置づけています。

2018年には、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが『ホテル・アルバート』(外部サイトが開きます)にイマーシブ・シアターの要素を導入。観客はホテル内を歩き、登場人物の一人として、参加者ごとに異なる場面を体験しました。

現在は、レストランや宿泊施設を舞台にする演劇に加え、街歩きや音楽ライブと組み合わせた没入型の表現も見られます。自由に歩く形式だけに限らず、物語への関わり方に合わせて作品を選べます。

演技・会話・移動の違い

イマーシブシアターで、必ずしも自分が演技する必要はありません。芝居を見守ることを中心に楽しむ作品から、役を持って会話や選択に参加する作品まであります。

参加方法を比べるための例です。実際の条件は公演や券種で異なります。
参加のしかたどんな体験?作品例
見守りながら巻き込まれる着席や食事を中心に、近くで起こる芝居や会話に巻き込まれる演劇ごはん『ヘンボッケ』
登場人物と会話・行動するゲストとして俳優と話したり、一緒に別の場面へ移動したりする『豪華列車はミステリーを乗せて』
自分の役を受け取る設定書で立場を受け取り、その人物として会話や選択に関わる『狼ノ宴 言の葉の送り人』
自由に回遊し、人物を追う会場を歩き、誰を追うか、どの場面を見るかを選ぶ『魔法使いの約束』リバイバル2026(終了)

『ヘンボッケ』(外部サイトが開きます)は、歩き回ったり、自分から声をかけたりしなくても楽しめると案内しています。『狼ノ宴』は設定書を読み、村人や客人という立場で物語に参加する形式です。

予約前には、会話があるか、自分の役があるか、どのくらい移動するかを確認しましょう。自分から話す公演か、見守ることを中心に楽しめる公演かが分かると、当日の過ごし方を想像しやすくなります。

イマーシブ体験との違い

「イマーシブ」は演劇以外にも使われる言葉です。名前に付いているだけで、俳優の芝居や会話を楽しめるイベントだとは限りません。

『VIVANT IMMERSIVE MISSION』(外部サイトが開きます)は、ドラマの劇中セットを巡り、専用アプリの音声指令に従ってミッションに挑むイベントです。生身の俳優とのやり取りを中心にする演劇とは、参加方法が異なります。

VIVANT IMMERSIVE MISSION -ここから、あなたの冒険が動き出す-(画像: プレスリリースより)
画像: プレスリリースより
謎解き・脱出ゲームエリア: 東京・中央THE CAST選定VIVANT IMMERSIVE MISSION -ここから、あなたの冒険が動き出す-9.16(水)- 11.27(金)¥900〜¥2,800/人

『KUROMI'S MYSTERIOUS DEPARTMENT STORE』(外部サイトが開きます)では、3階建ての会場を巡り、反応する仕掛けやフォトスポットを楽しみます。こちらも公式案内は空間を体験するイベントで、俳優との演劇体験を中心とした紹介ではありません。

KUROMI'S MYSTERIOUS DEPARTMENT STORE(画像: 公式サイトより)開催予定
画像: 公式サイトより
体験型展示・アトラクションエリア: 東京・渋谷THE CAST選定KUROMI'S MYSTERIOUS DEPARTMENT STORE10.19(月)- 11.1(日)無料

この記事では、こうした展示やミッション型を含む広い呼び方を「イマーシブ体験」、演劇を中心にしたものを「イマーシブシアター」として整理しています。俳優との会話や物語への参加を楽しみたいときは、名称だけでなく、公演内容まで確認してください。

2026年秋の注目公演

キャストと対話する公演、街を歩くパフォーマンス、音楽ライブでは、観客がすることも異なります。2026年秋の新作を中心に、形式とおすすめの理由を分けて紹介します。

『臓腑、或いはカルマ』

『臓腑、或いはカルマ』(外部サイトが開きます)は、刑事として容疑者に質問する体験型公演です。参加者は密室の取調室でキャストと向き合い、返ってくる言葉から事件の真相を探ります。その場で相手の話を聞き、自分の言葉で質問してみたい人に向いています。

神田・ANATORで、2026年10月10日〜11月8日に開催予定です。1〜6人、約50分、1枚4,500円。先輩刑事役のキャストが案内し、初参加の人も対象としています。

猟奇殺人や遺体、臓器を扱うサスペンスです。対象年齢は18歳以上で、17歳以下には保護者の同伴が必要です。

臓腑、或いはカルマ(画像: 公式サイトより)あと28日
画像: 公式サイトより
イマーシブシアター・没入公演エリア: 東京・千代田THE CAST選定臓腑、或いはカルマ10.10(土)- 11.8(日)約50分1〜6人¥4,500/人

『竜とそばかすの姫 - PROJECT LAYRA -』

アニマーシブライブ『竜とそばかすの姫 - PROJECT LAYRA -』(外部サイトが開きます)は、アニメーションの世界を体感する没入型音楽ライブです。舞台は映画の5年後。観客は仮想世界〈U〉の音楽フェスに参加する感覚で、歌と物語を楽しみます。

俳優への質問を中心にする公演とは異なり、音楽ライブから作品世界に入りたい人に合う形式です。2026年10月10日〜11月15日、MoN Takanawa: The Museum of Narratives Box1000で上演予定。開場中の演出約30分と本編約60分を合わせ、全体で約90分です。

通常チケットは席種により1人6,600〜11,000円(税込)。U25の2階着席後方は5,500円です。スタンディングと着席の選択肢があり、グッズ付き券は別料金。未就学児は入場できません。

『謎音-忘却の川-』

『謎音-忘却の川-』(外部サイトが開きます)は、墨田区・鐘ヶ淵一帯を歩くツアーパフォーマンスです。参加者は研究所の調査員となり、音声ガイドに従って街に残る奇妙な音の痕跡を追います。

劇場のセットではなく、実際の街の景色や土地の記憶を物語と重ねる作品です。歩きながら景色を観察し、物語を追いたい人に向いています。

2026年10月16〜18日、23〜25日、30日〜11月1日に開催予定です。所要時間は歩く速度や鑑賞状況により約70〜90分。作品公式サイト(外部サイトが開きます)で参加する日時を選んで申し込みます。

『狼ノ宴 言の葉の送り人』

秋の新作とは別に、役を持って参加する例として挙げたいのが『狼ノ宴 言の葉の送り人』(外部サイトが開きます)です。山梨県丹波山村で設定書を受け取り、村人または客人として食事と会話に加わります。自分も登場人物の一人として関わりたい人に向いています。

昼の部は12:30集合、16:00解散。1人16,000円(税込)でランチコースを含み、飲み物は別料金です。1人から予約できますが、同行者と同じグループになるとは限りません。公演日は公式予約サイトで確認してください。

イマーシブレストラン「狼ノ宴 言の葉の送り人」(画像: 公式サイトより)
画像: 公式サイトより
イマーシブシアター・没入公演エリア: 山梨・北都留郡丹波山THE CAST選定イマーシブレストラン「狼ノ宴 言の葉の送り人」随時約210分10〜16人¥16,000/人

発表済みの新作

『悪魔執事と黒い猫』(仮)

『悪魔執事と黒い猫』のイマーシブシアター化(外部サイトが開きます)は、2026年9月30日に発表されました。2027年2月に東京で開催予定で、観客自身がゲームの世界に入り込む参加型演劇として案内されています。

会場、詳しい日程、料金、具体的な参加方法は、今後順次公開予定です。現時点でほかの公演と条件を比較するのではなく、続報を待つ作品として紹介します。

参加前の確認事項

気になる作品が見つかったら、公演内容とチケットの条件を照らし合わせましょう。世界観だけでなく、会話や移動、同行者との行動も選ぶ基準になります。

確認すること見るポイント
会話・演技俳優に話しかけられるか。自分から話す必要があるか。台詞や役設定があるか
移動着席中心か、会場を歩くか。階段や長時間の立ち歩きがあるか
同行者との行動ずっと一緒に見られるか。別グループや別ルートになることがあるか
所要時間本編だけの時間か、集合・食事・チェックインまで含む時間か
食事・宿泊料金に含まれるか。アレルギー対応や別料金の飲み物があるか
刺激・年齢暗転、大音量、照明点滅、ホラー表現、年齢制限があるか
スマートフォン・撮影公演中に端末を使えるか。写真・動画・録音・SNS投稿の範囲

一人で予約できることと、一人で行動することは別です。現地でほかの参加者とグループになる作品もあれば、友人と予約しても別々に行動する作品もあります。

自分から演技するのが不安なら、見守ることを中心に楽しめる作品が候補になります。人物になりきって会話や選択をしてみたいなら、役設定や個別ミッションがある公演を探してみてください。

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この記事を書いた人

THE CAST編集部

執筆 · 体験型エンタメを、もっと身近にする編集チーム

謎解き・脱出ゲーム、イマーシブ体験、マーダーミステリー、体験型展示などを紹介する「THE CAST」の編集部。新しい体験のニュースから、初めて参加する人のための楽しみ方・選び方まで届けています。誰かと夢中になる時間も、一人で好きな世界に浸る時間も。映画や食事を選ぶように、体験型エンタメが日常の選択肢になることを目指しています。

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